昭和から平成初期にかけては、よく「ウィンドウショッピング」をしたものだ。
プラモデル店やファッションブティックのショーウィンドウに展示された商品を見るのが何よりの楽しみだった。見ているだけで、いわゆる「ワクワク感」が込み上げてきたのである。
特に昭和のプラモデル店のショーウィンドウは、少年たちの夢の宝箱だった。戦艦や戦闘機、スポーツカー、ロボットなどの完成見本が所狭しと並べられ、その前に立つだけで想像力が膨らんだ。
「次はこれがほしい!」
「おこづかいが入ったら買おう!」
そんなことを考えながらショーウィンドウを眺める時間は、実際に買う時以上に楽しかったかもしれない。
一方、ファッションブティックのショーウィンドウに飾られた服のコーディネートも秀逸だった。つい、同じ服を同じ組み合わせで揃えたくなったものである。
ショーウィンドウのコーディネートを真似することは、自分自身のファッションセンスにおける一種の敗北を認めるような気持ちもあった。しかし、それでもなお真似したくなるほど魅力的だった。
平成末期頃から、あらゆるジャンル、あらゆる店舗でショーウィンドウを見かける機会が減ってきた。そして令和に入ると、その傾向はさらに加速したように思う。
大きな理由の一つは、実店舗だけでなくインターネットで買い物をする人が増えたことだろう。ネットオークションやフリマサイトなどでは、探し方次第で良い品を安く手に入れることができる。
便利になった反面、商品との「偶然の出会い」は少なくなった。かつてはショーウィンドウの前を通りかかった時に思いがけず心を奪われることがあったが、ネットでは目的の物を探して買うことが多い。
時代の流れとはいえ、ショーウィンドウやウィンドウショッピングが減っていくことには、どこか寂しさを感じる。
プラモデル店のガラス越しに夢を膨らませた少年時代も、ブティックのショーウィンドウに足を止めた青春時代も、その根底にあったのは同じ「ワクワク感」だった。
やはり「ワクワク感」という点では、ネットショッピングよりもウインドウショッピングに軍配が上がるのである。

