『スター・ウォーズ』には、語り継がれる衝撃シーンがいくつもある。
「実は父親だった。」
「皇帝が倒された。」
「オビ=ワンとの別れ。」
「ルークが闇に落ちるのかと思った瞬間。」
どれもシリーズ史に残る名場面や。
でも、私が劇場で一番息をのんだのは、やっぱり**『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(エピソード7)**のあのシーンや。
アダム・ドライバー扮するカイロ・レンが、実の父・ハン・ソロを、自らのライトセイバーで貫く場面。
あれは……アカン。反則や。あんな展開、許されへん。
「まさか、そこまではせえへんやろ。」
そう思っていたファンの予想を、一瞬で打ち砕いた。
劇場全体が静まり返った、あの空気は今でも忘れられへん。
そして、何より忘れられへんのが、刺された瞬間のハン・ソロの表情や。
苦痛で歪んでいたんと違う。
あれは、「最後まで信じていた息子に、自分の想いが届かなかった」という絶望で歪んだ表情やったように見えた。
怒りでも憎しみでもない。
最後の最後まで父親として息子を信じ続ける、あの眼差し。
ハリソン・フォードの演技には、胸をえぐられた。
一方で、カイロ・レンという人物も実に魅力的やった。
特別イケメンというわけやない。せやけど、どこか貴公子然とした気品と格好良さがあった。
その雰囲気を作り上げていたのは、やっぱりアダム・ドライバーの演技力やろう。
「狂気」と「迷い」と「哀しみ」。
この三つの感情を同時にまとわせながら、一人の青年が闇へ沈んでいく姿を、あそこまで説得力を持って演じられる俳優はそうおらん。
いやあ、オーラ凄かった。
祖父であるダース・ベイダーを崇拝し、その影を追い続けた末に、「闇に生きる証」として父を手にかける。
ベイダー、好き過ぎるやろ……。
もちろん、『スター・ウォーズ』最大のどんでん返しといえば、「ダース・ベイダーがルークの父だった」という告白を挙げる人も多い。
それでも、「シリーズを長年支えてきた伝説の主人公が、実の息子の手で命を落とす」という衝撃では、この『エピソード7』の場面は間違いなくシリーズ屈指やと思う。
ライトセイバーで貫かれたのは、ハン・ソロだけやない。
あの日、世界中の『スター・ウォーズ』ファンの心も、一緒に貫かれたのである

