心地よい風が吹き抜ける季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。日々の生活やお仕事、本当にお疲れ様です。
さて、第38回目となる今回のコラムは、ビジネスの難しいお話はちょっと横に置いておいて、皆様の「一番身近な場所」についてのお話です。
テーマは、「部屋の掃除は心の健康に繋がる」。
ちょっと耳が痛いな、と思われた方もいらっしゃるかもしれません(笑)。ですが、今回はオフィスやデスクではなく、皆様が毎日眠り、目覚める「ご自身の部屋」という、究極にプライベートな空間にスポットを当ててみたいと思います。
部屋の乱れは、頭のなかのキャパオーバー
仕事でクタクタになって帰ってきたとき、脱ぎっぱなしの服が床に散らばっていたり、机の上に郵便物が山積みになっていたりすると、それだけで「はぁ……」とため息が出てしまうことはありませんか?
実はこれ、単に「見た目が汚いからテンションが下がる」というだけではないのです。
脳科学や心理学の世界では、「視界に入るモノの多さは、それだけで脳のエネルギーを消費させる」と言われています。 散らばった服、出しっぱなしの本、片付いていない小物……。これらは目に入るたびに、無意識のうちに「片付けなきゃ」「後でやろう」という小さなストレス(脳へのノイズ)として、私たちのエネルギーを奪い取っています。
心が疲れているときほど部屋が散らかり、部屋が散らかるからさらに心が疲れていく。 この負のスパイラル、誰しも一度は経験があるのではないでしょうか。
掃除とは、自分の心を「もてなす」こと
「掃除」と聞くと、なんだか面倒な労働のように感じてしまいますが、実は「自分自身の心をケアする最高のリフレッシュ法」です。
床にあるモノを定位置に戻す。 いらないプリントをゴミ箱に捨てる。 机の上をサッと水拭きしてみる。
ほんの5分、10分のことでも構いません。自分の手を動かして、目の前の空間を少しずつ「すっきり」させていくプロセスは、実は散らかった頭のなかを整理していくプロセスと完全に連動しています。
部屋が綺麗になると、不思議と胸のつかえが取れたようにスーッと心が軽くなりますよね。 それは、空間のノイズが消えたことで、心に「澄み切った余白」が戻ってきた証拠です。部屋を掃除することは、他の誰でもない「自分自身」を大切にもてなし、心の健康を守ることに他なりません。
「断捨離」よりも、「小まめな掃除」がちょうどいい
最近よく耳にする「断捨離」という言葉。モノを一気に減らしてスッキリ生きる、というのは確かに聞こえが良いですし、一理あります。
しかし、いざ「断捨離するぞ!」と気合を入れてクローゼットや棚に立ち向かうと、その時のハイテンションな勢いで「後から考えたら、やっぱり必要だったモノ」まで勢い余って捨ててしまい、後からガッカリ……なんていう経験はありませんか?(実は私にもあります笑)。
一過性のエネルギーで極端にモノを減らすのは、心にも意外と負担がかかるものです。
だからこそ、私がおすすめしたいのは「大掛かりな断捨離」よりも、日々の「小まめな掃除」です。
わざわざ「捨てる・残す」の重たい決断を迫られなくても、日常のなかで小まめにホコリを払い、元の場所にモノを戻し、空間をサッと拭く。その小さな積み重ねだけで、部屋の空気は十分に変わります。気合を入れすぎず、生活のなじみ深いルーティンとして空間を整えていくことこそが、結果として一番心地よく、心の健康にも繋がっていくのではないでしょうか。
今日からできる、小さな一歩
完璧に大掃除をしようと意気込む必要はまったくありません。 「とりあえず、ベッドのまわりだけ綺麗にしよう」 「今日はこの引き出し1個だけ整理しよう」 そのくらいの庶民的な目線で、ゆるく始めてみるのが長続きのコツです。
外の世界でどれだけ忙しく、戦う毎日を過ごしていても、帰ってきた自室がすっきりと心地よい空間であれば、私たちはそこで本当の意味でリセットされ、明日へのエネルギーをチャージすることができます。
今夜はぜひ、お気に入りの音楽でも流しながら、身の回りの小さなスペースを一つだけ、優しく整えてみませんか?
皆様の毎日が、すっきりと整った心地よい空間とともに、健やかで調和に満ちたものでありますように。

