よくカンフー映画で、青龍刀による猛攻撃に対して、素手で戦う凄腕拳士がそれを紙一重でかわすシーンがある。
そもそもカンフー、つまり中国拳法の動きは円を描くようで美しい。ただでさえ美しいのに、青龍刀を相手に素手で立ち向かい、華麗にかわしていく。その姿は、カンフー映画好きの私にとって最も魅力的なシーンである。
しかし、あの動きは決して一朝一夕に身につくものではない。凄腕拳士の動きはまさにベストパフォーマンスであり、その境地に達するには素質だけでなく、血のにじむような鍛錬の積み重ねが必要だろう。
このことは、あらゆる分野に共通しているのではないだろうか。
結果だけを見れば、「自分にもできそうだ」と思えることがある。しかし、その結果を生み出すまでの過程には、人知れぬ努力がある。だからこそ、多くの人は同じようにはできないのである。
まさに「言うは易し、行うは難し」である。
日本では医師にも弁護士にも資格の更新制はない。しかし、だからこそ実力の差は隠せない。資格や肩書きは同じでも、日頃から爪を研いでいる者とそうでない者との差は、年月とともに大きく開いていく。
人は資格や肩書きに安心感を覚える。しかし、最終的に信頼を勝ち取るのは資格ではなく実力である。そして実力とは、一夜にして身につくものではない。
誰にも見られていない時間に学び、考え、鍛え続ける。その地道な積み重ねこそが、いざという場面でのベストパフォーマンスを生み出すのである。
青龍刀を紙一重でかわす拳士の動きは、決して偶然ではない。見えないところで積み重ねてきた鍛錬の結晶である。
だからこそ、私たちも日頃から爪を研いでいたい。
いつ訪れるか分からない勝負の時に備えて。

