「新必殺仕置人」最終回〜ここで一旦、中村主水は燃え尽き症候群になったか?〜

コラム

必殺シリーズ屈指の最高傑作と名高い『新必殺仕置人』最終話「解散無用」。裏社会の元締・虎の死、巳代松の廃人化、そして最大の相棒である念仏の鉄の壮絶な死闘と散り様——。仲間たちが次々と散っていく中で見せた主水の凄まじい大立ち回りと、その後に残された深い虚脱感に迫る。

全盛期の太刀筋と「解散無用」の爆発

・キレッキレの剣術と圧倒的な単身殴り込み ラストの主水の殴り込みが凄すぎた。怒り最高潮に達した主水は、悪徳同心の諸岡をはじめ一味をたった1人でほぼ壊滅させた。この『新必殺仕置人』の直前作『必殺仕業人』のラストの一対一の果し合いといい、この当時の主水の剣術はキレッキレであったといえよう。

・唯一無二の理解者・念仏の鉄の喪失 主水にとって鉄は、裏の顔を共有し、互いの腕と覚悟を最も信頼し合っていた唯一無二の戦友であった。その鉄を失った精神的ダメージは計り知れない。

・極限の死闘の果てに訪れた「燃え尽き」 「寅の会」崩壊に伴う大抗争のなか、昼行灯の仮面をかなぐり捨てて全てを斬り捨てた主水。仲間を失い、全エネルギーを出し切って生き残った彼が、日常へと戻る瞬間に猛烈な虚無感——すなわち「燃え尽き症候群」に陥ったとしても無理はない。

この壮絶な「解散無用」で一度すべてを燃やし尽くしたからこそ、後のシリーズにおける主水は、より一層乾いたニヒリズムと研ぎ澄まされた凄みを漂わせる存在へと深化していったのである。

タイトルとURLをコピーしました