シャカタクの名曲「Night Birds」。
フェンダー・ローズを中心とした、柔らかく艶のあるキーボードの響き。都会の夜景を思わせる洗練されたリズム。そして、どこか少しだけ切なさを漂わせるメロディー。
そして、この曲の世界観を象徴するような言葉がある。
“Slowly they descend
Through the darkened sky
To the night again
Night birds
kiss the day goodbye”
ゆっくりと暮れていく空。
昼に別れを告げ、夜の鳥たちが活動を始める。
「Night Birds」という曲は、まさに昼から夜へと移り変わる、その一瞬の空気を音楽にしたように感じられる。
そんな曲を聴く夜に合わせたいお酒を考えてみると、私なら二つを選ぶ。
**「シンガポールスリング」と「ハイランドパーク」**である。
まず、「Night Birds」を流し始めたら、ミックスナッツを摘みながらシンガポールスリング。
シンガポールスリングの華やかな香りと甘酸っぱさは、「Night Birds」のフェンダー・ローズの音色によく似合う。
ローズの丸く、きらめくような音は、夜の街に映るネオンのようだ。
そこに、鮮やかな色彩を持つシンガポールスリングを合わせる。
フェンダー・ローズが夜景なら、シンガポールスリングはネオン。
そんなマリアージュである。
そして、少し時間が経ったところで料理をスペアリブに変える。
ここから合わせるのは、ハイランドパークのソーダ割り。
スペアリブの脂や甘辛いソースを炭酸が軽やかに流し、ハイランドパークのほのかなスモーキーさが肉の香ばしさと重なる。
前半のシンガポールスリングが「華やかな都会の夜」なら、後半のハイランドパークは「夜が深くなっていく時間」。
同じ「Night Birds」を聴いていても、グラスを変えることで、曲の景色まで少しずつ変わっていく。
ミックスナッツ × シンガポールスリング。
そして、
スペアリブ × ハイランドパーク・ソーダ割り。
BGMは、もちろんシャカタクの「Night Birds」。
昼が静かに去り、夜の鳥たちが舞い降りてくる。
そんな情景を思い浮かべながらグラスを傾けると、この曲は単なるBGMではなく、夜そのものの演出になってくる。
音楽、料理、酒。
それぞれを単独で楽しむのもいい。
しかし、この三つがうまく重なった夜には、ちょっとした「物語」が生まれる。
そんな夜を楽しむための一曲として、「Night Birds」は実にいい。
今夜は照明を少し落として、グラスを用意してみよう。
フェンダー・ローズの音が流れ始めた瞬間から、いつもの部屋が少しだけ、1980年代の都会のナイトラウンジに変わるかもしれない。
昼に別れを告げ、夜へ。
音楽と酒のマリアージュ。
これもまた、大人の夜の愉しみ方である。

