先日、士業界隈で静かに、しかし確実にざわめきを生んだニュースがあった。金融庁が預金取扱金融機関等に対する金融モニタリング業務に従事する任期付職員の公募において、弁護士と並び「行政書士」を有資格者として指定したのだ。
霞が関の中央省庁における専門職ポストといえば、長年「弁護士」「公認会計士」の二強が指定席だった。そこへ行政書士が堂々と肩を並べたという事実は、士業の勢力図や社会的位置づけの変化を象徴する、まさに強烈な「ジャンプアップ感」を放っている。
かつて行政書士といえば「街の代書屋さん」という牧歌的なイメージで語られることも多かった。しかし、現代の金融行政が求めているのは、単なる書類の清書ではない。複雑怪奇を極める金融法規やコンプライアンス規程を精緻に読み込み、金融機関の内部統制や業務適切性を厳格にチェックする高度なリーガルマインドだ。行政手続や許認可、法規運用のプロフェッショナルとして培われた実務能力が、国の金融ガバナンスという中枢で公に認められた意義は極めて大きい。
この公募が示す未来は明るい。現場で実務を重ねる行政書士にとっても、資格自体の社会的ステータスにとっても、従来の枠組みを一段飛び越える大きな契機となるだろう。従来の垣根にとらわれず、動産や許認可が絡む事業承継から国のモニタリング業務に至るまで、その活躍フィールドは確実に広がり続けている。
代書からガバナンスへ。行政書士という資格が持つポテンシャルの高さを改めて見せつけられた、痛快な一手である。

